4月1日〜3日「縁坐舞台にせまる~春の陣~」橋本久仁彦さんWS

縁坐舞台とは何なのか?
その問いに迫る場を、今年の春と冬に大阪から橋本久仁彦氏をお呼びして、ひらきます。

橋本氏は「僕のやっていること、やりたい仕事は、円坐と影舞(縁坐舞台)と
ミニカンに尽きるなあ」と言います。しかしながら、縁坐舞台は他の仕事に
比べあまり知られていないようにも思えます。

今回の春の陣については、この縁坐舞台に近づくために3つのキーワードを用意しました。
一つ目は、現在、橋本氏が円坐、縁坐舞台とともに活動の柱に据えている「影舞」。
二つ目は、縁坐舞台の反証元となったと言われている「プレイバックシアター」。
三つ目は、主催者の一人である中尾聡志が試みている「直感ピアノ」。
これら3つの体験を通じて、縁坐舞台の謎に迫ってみたいと思います。

春の陣と冬の陣の間には自主的な探究の場をひらき、お互いの体験のシェアをしながら、
自分たちでも縁坐舞台に迫っていく。
そして冬の陣でふたたび橋本氏をお呼びしてこの問いに迫る場をひらく予定です。

縁坐舞台とは何か?
そこでは何が起こっているのか?
私たちは何を体験しているのか?
橋本氏は何を見ているのか?

探究の旅路をともにしてくれる方のご参加、
お待ちしております。

※ 縁坐舞台についてはこちらをご覧ください。
※ 橋本久仁彦さんについてはこちらをご覧ください。
※ 以下で、日程、場所、参加人数、参加費、主催者、本WSの内容、お申込み/お問い合わせ、キャンセル規定、主催者からの言葉、をご紹介します.

◆日程:

<春の陣>
 ① 4月1日(金) 19時~21時45分
  「人差し指で奏でるピアノと影舞のワークショップ」
   講師:中尾聡志 ゲスト:橋本久仁彦氏

 ② 4月2日(土)、3日(日) 10:00~18:00
  「縁坐舞台の謎にせまる~プレイバックシアターと影舞を通じて~」
   講師:橋本久仁彦氏

<冬の陣>
 ③ 12月2日(金) 19時~21時45分
  「ヤギとサトシのインプロ日和」
   講師:中尾聡志、ヤギ ゲスト:橋本久仁彦氏

 ④ 12月3日(土)、4日(日) 10:00~18:00
  「縁坐舞台にせまる〜冬の陣」(仮題)
   講師:橋本久仁彦氏

◆場所:
①東京都区内 (3月上旬に決定)
②東高円寺駅から徒歩5分の施設

◆人数:10~20名程度

◆参加費
①③:各2,500円
②④:各20,000円
①〜④はそれぞれ独立してお申し込みいただけます。
お申し込みいただいた方にお振り込み先をご連絡します。
①③は当日のお支払いでも構いません。

◆主催:中尾聡志(東京円坐)、大島有一(東京円坐/リンザバ・ラボ/御円)、中尾絢子

◆内容

①4月1日(金)
中尾聡志の活動の一つである「人差し指で奏でるピアノのワークショップ」に、
橋本氏がゲストとして参加します。今までとは違うアプローチで、初めてピアノに
ふれる人でも、音楽の愉しさを体験してもらえる内容になっています。
このピアノWSと縁坐舞台の関係については、後にある中尾絢子の言葉をお読みください。

②4月2日(土)、3日(金)
影舞とプレイバックシアターを通じて、縁坐舞台の謎に迫ります。
講師は橋本氏です。「縁坐舞台の体験」「プレイバックシアター」「影舞と縁坐舞台の関係」、
その他、その場に応じたワークを予定しています。
※その場の流れを大事にするため、講師の判断により内容が変更になることがあります。

③12月2日(金)
中尾聡志の活動の一つである「ヤギとサトシのインプロ日和」に、橋本氏がゲストとして参加します。
インプロとは即興演劇のことで、プレイバックシアターで行われているプレイバックもインプロで行われています。
当日は、即興演劇がメインのワークショップですが、影舞や縁坐舞台のエッセンスを
意識しながらいろいろと実験を試みてみたいと思っています。

④12月3日(土)、4日(日)
現在、内容は完全に空白の状態としています。上記のように①②の後に探究を重ねていき、
新たな形でこの問いに迫りたいと思います。

◆お申込み/お問い合わせ
tokyoenza@gmail.com までお送りください。折り返しお返事差しあげます。

お申し込みの際にはメールの件名を「縁坐舞台にせまる申し込み」とし、
本文に下記項目をご記入ください。

・お名前
・ご連絡用メールアドレス
・当日ご連絡のできるお電話番号
・参加ご希望の日程 (①〜④)
・縁坐舞台と影舞のご経験の有無
・その他、参加動機、主催者や橋本久仁彦さんへのメッセージなど、
 何かありましらお聴かせください。
 橋本さんへのメッセージは事前に橋本さんにお伝えします。

①②③④はそれぞれ独立してお申し込みいただけますが、
④は当日までに縁坐舞台を実際に体験されたことがある方か、
もしくは春の陣と冬の陣の間に予定されている縁坐舞台探究会(日程未定)へ
参加される方を対象とさせていただきます。

◆キャンセル規定:
ご都合によりキャンセルされる場合は、実施日21日前からキャンセル料をいただきます。
どうぞご了承下さい。

◆キャンセル料:実施日の前日から起算してさかのぼり、
21日目にあたる日以前:無料
20日目にあたる日以降:20%
7日目にあたる日以降:30%
前日:50%
当日:100%

◆主催者からの言葉

<中尾聡志より>

去年の9月に大阪に行ったときに、
橋本さんの開かれている場に参加しました。
その企画が終わったあとの雑談で、
何の流れだったか忘れましたが、
なぜだか夫婦ケンカの話になりました。
そこで、僕が奥さんの言葉とかにイラっとして、
すごく怒りが湧いてきてしまったときに、
冷静になるために一言いって外を走りに行くんですと、
橋本さんに伝えました。

すると、橋本さんは「それだと怒りは残ったままになるんじゃないかな。
そのときはいいかもしれないけど、どうなんだろうね。」と言って、
「例えば、家で一人に居るときに、時間を決めて、
今から15分とか、今から15分は自分の怒りを感じるって決めて、
15分たったら日常に戻ればいい。でも15分間はじっと怒りを感じながら、
もし声を上げたくなったら声をあげればいいし、
身体をねじりたいと思ったらゆっくりねじってもいい。
とにかく15分怒りを感じてみるってのをね、もしよかったらやってみて」
とアドバイスをくれて「縁坐舞台のいい稽古にもなる」とも言っていました。

僕は一昨年と去年と、縁坐舞台のヒトガタを計3回経験したのですが、
なんだかさっぱり分からず、惹かれる気持ちはありつつも、
どうしていったらいいのか分からないなぁという気持ちがありました。

でも、橋本さんが語る縁坐舞台のお話では、とても興味深いことが起こっていて、
やっぱり何か縁坐舞台から感じる不思議さにもっと近づいてみたいなと思っていました。

大阪で、「怒りを感じて声を出したり動くことが縁坐舞台の稽古になる」って聞いたとき、
そして、実際それを家でやってみたときに、何か今までと違うものがつかめたような気がしました。

ただただ今の自分の感情や感覚に意識を向けたり、
葛藤やもどかしさや違和感など、自分の気持ちをそのまま辿り、
どんな理由だからよくわからないけど、ただ出て来る自分の動きに、
躊躇しながらも身を任せてみたり抵抗してみたりする。
そんな行動を常に毎瞬毎瞬重ねながら現われてくる動き。
そのようなことを縁坐舞台のヒトガタはやっているのかなと。
そして、そのような動きに人はある種の美しさを感じたり、、
凛とした空気を感じたり、自分が見たい景色を重ねたり、
縁坐舞台で起こってることはそういうことなんじゃないかと、
一つの仮説が僕の中で生まれました。

そして、これは円坐でも、影舞でも、同じようなことが言えると思う。
円坐は言葉を扱う影舞や縁坐舞台であり、
縁坐舞台は言葉を絶した中で行われる円坐なのではと思います。

僕はどこか、今こんな風に生きてることや人生のいろんなことについて、
人や土地や場、その他いろんなものに有難いなぁという気持ちがあります。
と同時に人や土地や場に恩返しが出来るようなことをしたいと思っていて、
影舞や縁坐舞台は、それが出来るような気がしていています。

去年見つけた縁坐舞台を知っていくためのヒントを抱えながら、
今回はさらに大きく縁坐舞台の謎に近づけたらと思っています。

そして今年はこの経験を通じて、
縁坐舞台で恩返しができるようなことがしたいなと思っています。

「恩返し」が「音返し」だとしたら、これはミニカンのことかもしれませんね。
やはり根っこにあるのは「聞く」ということなのかもしれません。

中尾聡志

<大島有一より>

橋本久仁彦さんの存在を知ってから3年、
場に参加するようになってから2年が経ったけれど、
縁坐舞台については未だに謎のままです.

橋本さんの言葉や知人から伝え聞く話は断片的なもので、
「プレイバックシアターが原点にある」「でも全然違う」、
その感想も「何にも感じなかった」「何か凄い」「泣いてしまった」など、
多様で点在していてつかみ所がないように感じられていました.

去年の夏に初めて目にすることができ、坐衆とヒトガタとを体験しましたが、
それらをどう表現したらいいのか.
言葉にしてみると、

お互いが触れられるような、触れられないような、
そこに何も見いだせないような、何ものでも映し込めるような、
どこか儚げで、深夜に日本人形を目にしたときのような、ぞわぞわする感じ.

よくわからないけれど、今も気になり続けています.

このワークショップを企画した動機は、
こうした縁坐舞台そのものに対する関心と、
縁坐舞台を創始した橋本久仁彦さんに対する関心との両方にあります.

縁坐舞台とは何なのか.そこでは何が起きているのか.

この問いに迫るために、縁坐舞台を実際に体験したり、
それについて橋本さんに語っていただくことにももちろん興味はあるのですが、
それに加えて、縁坐舞台がどのように生み出されたのかについて
僕は強い関心があります.

プレイバックシアターがその源流にあることはご本人も認めており、それを
ご存じの方も多いと思いますが、どのような試行錯誤を経て現在地へ至ったのか.

春の陣②の二日間のうちの一日は、これをたどります.
時間軸に沿って、原点であるプレイバックシアターから縁坐舞台へと
至る変遷についてたどります.
これを橋本さんに語っていただくだけではなく、参加者全員で、
プレイバックシアター、変化のきっかけとなったいくつかの出来事
(があるそうです)、縁坐舞台のそれぞれを体験していきます.

鳥類の祖先がある種の恐竜であることは定説となっていますが、
それが理解されるようになったのは、進化の途上にある始祖鳥の化石の
発見によってでした.

化石を調べてその歩みをたどるようにこの過程をたどり、
縁坐舞台に対する理解を深めていきたいと思っています.

②のもう一日では、時間を現在にとどめたまま縁坐舞台にせまります.
現在の橋本さんの主要な活動のひとつであり、縁坐舞台とも大変関連が深い
「影舞」を通して、縁坐舞台にせまります.

ご本人によればこの二つは「同じ」とのことですが、一体全体何がどう
同じであるのか.それが見えてきたとき、また別の視点から縁坐舞台を
とらえることができてくるのだと思われます.

これら二つの手段、縁坐舞台へと至る橋本さんの試行錯誤の過程を
たどること.影舞という、いわば縁坐舞台のもう一つのあり方から、
縁坐舞台への接近を試みること.

これらが、縁坐舞台は言うに及ばず、橋本久仁彦さんという方の思想や
ありようをより深く知るための手段になり得ると思っています.

縁坐舞台に直接の興味をお持ちの方もそうでない方も、
ご参加お待ちしています.

大島有一

<中尾絢子より>

「聡志のピアノWSは、弾く曲弾く曲、つながっていく音、影舞に近い感じがある。
その後になると、自分が弾いているのか、誰が弾いているのか、
自分の力を離れていくというか、何も考えなくてもできるみたいな感じになる。
影舞みたいに、ピアノも運ばれていく感じになる。
他の人と一緒に弾くときとか、なんとなく前の人の音に合わせたり、
どうしても何か影響を受けていて、でも明らかに前の人の影響を受けて、自分も次の人に影響を与えて、
それでそのまま弾いていっちゃうって感じがある。よくいう即興とは違う感じ。
無理矢理感みたいなもの、「頑張って自分で弾く」とはちょっと違う感覚が、
影舞と聡志のピアノにはある感じがしていて、
まだ縁坐舞台はわからないんだけど、なんか通ずるというか。
舞台はまだ怖い感じがある。パンて言われたら、あ、やらなきゃみたいな。
そういう意味ではサトシのピアノも影舞も違くて。
怖さ。他のにはあるけど、ピアノと影舞には怖さがない。
最初はピアノにはあった。」

(本企画の打ち合わせ中に中尾絢子が話していたことを、大島有一が記録し、文字化しました。)

<< 
 >>