ゲストハウス


ジャラール・ウッディーン・ルーミーという13世紀の詩人が書いた「ゲストハウス」という詩がある.去年の日本人間性心理学会のパトリシア・オミディアンの講演でこれを知って以来、心のどこかに残り続けていたのだが、先日久しぶりに読み直す機会があったので紹介したい.インターネット上には複数の日本語訳が見つかるが、どれが定訳にあたるものか判別がつかなかったため、原文の英訳版をここで和訳したものを以下に載せる (原文はペルシア語).

ゲストハウス

人間であることは、ゲストハウスであること.
毎朝新しいお客が到着する.

喜び、憂鬱、意地悪な気持ち、
そのときどきの気づきが、思いがけないお客としてやってくる.

それらすべてを歓迎し、もてなしをしよう!

たとえそれが悲しみの集団で、荒々しく家中の家具を持ち去って
空っぽにしてしまったとしても、どのお客にも敬意を持って接しよう.

それは新たな喜びを迎え入れるために、
あなたを空っぽにしてくれているのかもしれない.

暗い気持ち、恥ずかしさ、悪意も、
玄関で笑いながら出迎えて招き入れよう.

訪れるものすべてに感謝しよう.
なぜなら、どれもがはるか彼方から、
あなたの人生のガイドとして送られてきたものなのだから.

 

この詩が心に響く人もいるだろうし、特に何も感じない人もいるだろう.また中には、この詩は何か心にとまるけれども、否定的な気持ちを歓迎することについて難しく感じたり、反発したりする気持ちを持つ人もいるかもしれない.その場合は、その「歓迎できないという気持ちそのもの」を招き入れてみようとすることが何かのきっかけになるのかもしれない.

<< 
 >>